作品概要
《風景の中の自画像》は、画家のアンリ・ルソーによって制作された作品。制作年は1890年から1890年で、プラハ国立美術館に所蔵されている。

《風景の中の自画像》は、フランスの画家アンリ・ルソーによって1890年に制作された油彩画である。プラハ国立美術館に所蔵されている。
図像解説
この作品においてルソーは、彼自身が熱望した、画家としての頂点を極めた自分自身の姿を描いている。エッフェル塔と、世界の国旗で装飾された背の高い帆船を特徴とする風景の前で、筆とパレットを手にした非常に大きなルソーは、スーツを着て、画家に典型的なベレー帽をかぶっている。
本作は1890年に完成したものだが、その後ルソーは自伝的な細部を描き加えることで改作を施している。1901年に芸術愛好学校の芸術の教師になった際、襟元に教育功労勲章のリボンを描き加えている。彼の2人の妻、クレマンスとジョゼフィーヌの名前も、後にパレットに描かれた。
評価
名高い画家になるというルソーの野望は、新しいジャンルとも呼べるこの作品の副題(portrait-landscape、肖像風景画)で喚起されている。当時の批評家は、この作品におけるルソーの自己賛美的描写を嘲笑し、次のように書いている。
「アンリ・ルソー氏がアンデパンダン展の評判の的であるとはきわめて言い難い。肖像風景画は彼自身の発明であるから、悪意を持った人物が使用できないよう特許を取ることをお勧めする。」
こうした皮肉に対し、ルソーは誇らしげに「雑誌で指摘されているように、私は肖像風景画を発明した人間である」と答えたそうである。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。