作品概要
《チボリの風景》は、画家のクロード・ロランによって制作された作品。制作年は1640年から1640年で、J・ポール・ゲティ美術館に所蔵されている。

《チボリの風景》はフランスのバロック・フランス古典主義の画家であるクロード・ロラン(またの名、クロード・ジュレ)が1640年、イタリアにて作成した版画作品である。
現在、この作品はアメリカのロサンゼルスにあるJ・ポール・ゲティ美術館にて所蔵されている。
作風について
ロランは、イタリアの田舎風景を直接目に焼き付け、《チボリの風景》を創作した。いつもと同様に、ロランはこの作品でも、チボリの特徴ある建物たちよりも、全体としての風景に注目している。
この作品に正式な色塗りはまだ行われていないが、半透明な色をも含めた色調範囲は光と影を自然かつ連続に表現している。また、その光と影のコントラストのお陰で、チボリにある様々な物を明確に、あるいはぼかしながら描くことができるようになる。もう一つ、この作品の特徴の一つとして、ロランは広がるイタリアの太陽光に従順して風景を描いたのではなく、光と影を巧妙に融合し山や建物のシルエットをより明確に描き出した。
ロランとチボリ
チボリの平和な風景はロランが最も愛する題材の内一つであり、彼が描いたチボリの風景を主題とした作品は、30枚以上も現存している。ドイツの学者であるヨアキム・フォン・サンドラートによると、ロランがスタジオでなく室外で作品を作成するようになったのはチボリの影響が大きい。
この《チボリの風景》も同じくスタジオで構図するのではなく、ロランが直接目にした風景を元にして描かれた。彼は室外に行き、大自然の中で絵の研究をし、そこでスケッチをする。また、ロランがスタジオに戻った後、作品を正式に創作する際は、自分が過去に描いたスケッチを参考として使っていたのかもしれない。
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