黄金の子牛の礼拝（1660年）

《黄金の子牛の礼拝》はフランスのバロック・フランス古典主義の画家であるクロード・ロラン（またの名、クロード・ジュレ）が1660年、イタリアにて作成した油彩画作品である。以前、1653年にて、ロランは同じタイトルの絵を作成している（ルーヴル美術館所蔵）。その作品は着色されていない版画であり、構図も1660年に作成したこの作品と異なる。

現在、《黄金の子牛の礼拝》はイギリスのイングランドにあるマンチェスター市立美術館にて所蔵されている。

作品のストーリーについて
《黄金の子牛の礼拝》は聖書の物語を原型に作成された作品である。聖書にて語られているストーリーは古代イスラエルの民族指導者、モーセに関する物語である。

モーセはシナイ山にて神から十戒を授かり、その後故郷に帰る。しかし、モーセを待つ間、故郷の人々は既に待ちくたびれ、黄金の子牛を崇めるようになった。その光景を目にしたモーセはと怒り、十戒を地面へと投げつける。

作品のスタイルについて
ルーヴル美術館にある同名の作品と違い、この作品に描かれている人々は皆輪になって黄金の子牛を囲んでいる。黄金の子牛は彫刻された柱の上に乗っており、柱の左側には小さな火が燃えている金箔の祭壇が置かれている。祭壇の上には飄々とした衣服を着た、ひげが生えている紳士が描かれている。この人物は黄金の子牛を作成した張本人、モーセの兄であるアロンである。

ロランのこの作品に関する情報はちゃんと記録されているが、学者や大衆の知名度は低い。また、この作品はロランが描いた最も大きな作品の内一つである。