木々のスケッチ

《木々のスケッチ》はフランスのバロック・フランス古典主義の画家であるクロード・ロラン（またの名、クロード・ジュレ）が1640年、または1655年から1660年の間、イタリアにて作成した版画作品である。

現在、この作品はフランスのパリにあるルーヴル美術館にて所蔵されている。

スタイルについて

《木々のスケッチ》は色付けもされていないとてもシンプルな作品であるが、印象的でもある。光の中で震えているかのように描かれた葉っぱ達は、作者が風景を直にスケッチした事実を物語っている。また、ロランは力強いタッチを使うことによって、植物の根性ある生命力を表現している。

ロランは風景画の描き方をマスターするため、大量の時間を使い、田舎の風景を夜明けから夕暮れまで観察した。その努力によって、違う時間帯の異なる風景を上手く表現できるようになった。また、ロランは感受性がとても高い芸術家でもある。この絵は比較的に低い角度から描かれているが、木の頂上にある茂みから出てくる木の枝、葉っぱ、そして、葉っぱのもつれは皆綺麗に描かれている。

作風について

一部の芸術評論家にとって、《木々のスケッチ》はロランの作風が変わる変化期の代表的な作品である。この変化期を経験し、ロランは画家として新たなスタイルとテクニックを習得し、新しい境界に突入する。

ロランが作風の変化期内にて描いた作品は主に実風景を写生したスケッチである。彼はもはやビスタを使うことも無く、そのままペンストロークを使用し、直接大胆なタッチで空白の紙を埋めていた。