作品概要
《シャユ踊り》は、画家のジョルジュ・スーラによって制作された作品。制作年は1889年から1890年で、クレラー・ミュラー美術館に所蔵されている。

この《シャユ踊り》でスーラは、様々な色を点描で表す「筆触分割」を採用した。この作品は、茶色、こげ茶、暖かい灰色、青色のパレットから生み出される地球色調のものがスペクトルの赤色の側に向かう配色によって画面が支配的になっており、原色(赤と黄色)だけでなく、さらに6つの主要色だけでもなく、キャンバスに塗る前にパレット上に作った18種類の混合色(いずれも白色と混ぜ合わせることもあった)でさえ散在している。キャンバスの縁の周りに描かれた深い青色の境界線は、上端の緩やかなアーチの頂点に達する。
点描技術
《シャユ踊り》は、スーラの点描技術が際立つ作品である。作品全体の光と影の調和は、強度と濃度が異なる小さな点描を交互に並べて使用することで得られる。点描は、遠くから眺めたときには混色の印象を作り出すように、観察者の目で色が融合することように意図している。
印象派は類似、または関連する色彩(つまりわずかに異なる色彩)に基づく色の調和に注意を集中していたが、新印象派の調和は対照的な色合いに基づいていて、メランジ効果(観察者の眼内で行われる光学的な混合)を生じる。
絵画の構成
絵画は3つの主要な空間に分かれている。音楽家は左下の部分を占め、そのうちの1人は中央に位置し、彼の背中は視聴者の方に向けられ、ダブルベースは左側に立てられている。列になっているダンサー達は、男女二人ずつが脚を上げ、絵画の右上部分を占めるように描かれている。曲線とリズミカルな繰り返しによって特徴づけられ、力学的な動きの合成感覚を作り出している。
背景は、華やかなキャバレーのようなスタイルの照明器具と、一番上の列に座っている観客の目は、ダンサーたちのパフォーマンスに釘付けになっている。右下の別の観客は、性的欲望か卑劣な考えをもっているかのような視線で凝視している。それはその当時カンカンの雑文でよく言及されていた男性盗賊の原型である。
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