清純

ブグロー作の《清純》は、新古典主義の中でも心を震わせるような名作だ。

作品のテーマ

子供と子羊を比喩表現として描き、純潔さを美徳として表した寓話的な絵だ。非常に写実的な演出を通じて形と構成も清廉さの表現となり、罪の全くない存在を描いている。ブグローは大衆的な解釈も、大衆的な消費もしやすいように題材を扱う能力に長けており、この時代においては世界的に相当な実力を持った画家であると評されていた。

純潔さと清純さは18世紀から19世紀の新古典主義画家たちによく見られるテーマだ。1700年代後半には古典的なテーマに夢中になった画家たちが非常に増えた。ラファエロ・サンティ、ニコラ・プッサン、クロード・ロランといった画家たちは構成、均整、簡潔さといった点を長所に、貞淑さに対する興味関心を新しいものにした。

考古学的発見が数多くあり、国立美術館も多く建設されるという時代の流れにも刺激され、ブグローは古典的なテーマに忠実な作品を生み出していった。

アカデミーと新古典主義

いわゆる「伝統の型にはまった画家」であったブグローのスタイルは、伝統主義と保守的なアプローチを唱えていたヨーロッパ芸術アカデミーの指導で技術が磨かれていった。新しいスタイルもアカデミーで取り入れられていたものの、あくまでも学術的に価値があると判断されてからだった。

《清純》はアカデミーの中で表現された新古典主義の例として主要な作品で、非常に多くの観衆を感動させることができるブグローの技巧を物語っている。同じ時代の印象派画家たちの論争など少しも意に介さず、ブグローはアカデミー・フランセーズからは非常に尊重される存在であったが、サロンではその復古的な要素が非難されることもあった。