作品概要
《木こりの娘》は、画家のジョン・エヴァレット・ミレイによって制作された作品。制作年は1851年から1851年で、ギルドホール美術館に所蔵されている。

パットモアの詩が元になった作品
《木こりの娘》が1851年にロイヤルアカデミーで最初に展示されたとき、コヴェントリー・パットモアの悲劇的な恋の詩「木こりの娘」の行の次の引用が添付されていた。
モードは手伝いに行っただけだった そして一方でジェラルドは木をのこぎりで切った
金持ちの領主の息子であるその少年は 朝の間ずっと興味津々かのように
ジェラルドとモードの前に黙って 立ち尽くしてじっと彼らを交互に見つめた
彼は不機嫌な声でたまに果物を差し出した
モードはいつもそれを受け取った とても気軽で自由な雰囲気の中で
そのはにかんだ顔をした 二人の距離はすぐに縮まった
愛らしい絵に隠された悲恋
テートギャラリーのカタログには、ミレイの絵が、「ジェラルドと呼ばれる木こりの娘モードと、領主の息子との間の不運な友情が始まり、数年後に身分の違いを超えて愛し合ったが結婚はできなかった。その後モードは非嫡出子の子供を産み、プールで溺死させたのち、精神錯乱に陥った。」様子を描いていると書かれている。領主の息子である男の子の差し出した苺の線上に、モードの父親の斧を置いて、悲劇的な未来を暗示させるという手法をとっている。
言い換えれば、《木こりの娘》は、悲劇的で報われない恋の話や貧しい女の子が裕福な男性からの誘惑に惹かれる話のどちらかを描く、ラファエル前派とその仲間によるの絵画の1つである。悲劇的で報われない愛とその結末には、ミレイの《イサベラ》とハントの描く続編である《イサベラとバジルの鉢》、ミレイとヒューズの描く《オフィーリア》、ミレイの《聖バルテルミーの祝日のユグノー教徒》と《マリアナ》などがある。格差のある恋の誘惑に関する絵画には、ハントの《良心の目覚め》と《雇われ羊飼い》、とフォード・マドックス・ブラウンの《さあ、あなたの息子ですよ》が含まれる。
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