作品概要
《ムーラン・ルージュにて、踊り》は、画家のアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックによって制作された作品。制作年は1890年から1890年で、フィラデルフィア美術館に所蔵されている。

《ムーラン・ルージュにて、踊り》は、フランスの画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックによって1890年に描かれた描かれた油彩画である。フィラデルフィア美術館に所蔵されている。
1889年にパリに作られたキャバレー、ムーラン・ルージュ描いた数々の作品のうち、二番目に描かれたものである。
ムーラン・ルージュで踊るダンサー
混雑したダンスホールの真ん中でカンカンを踊る2人のダンサーが描かれている。作品の裏に最近発見されたロートレックによる解説文には、「骨なしヴァランタンによる新人の指導」と書かれている。これは、女性の左で踊っている男がムーラン・ルージュの有名なダンサー、ヴァランタンであることを意味している。彼はキャバレーの新人に踊りの指導をしている。
右側には、ピンク色のドレスを着たミステリアスな貴族の女性がいる。背景には、詩人のエドワード・イェーツ、クラブのオーナー、ロートレックの父親など、多くの貴族が描かれている。
もたらされる臨場感
この絵画でロートレックは、パリの夜の熱狂的なエネルギーと、品のない裏の顔を捉えている。鑑賞者は、モンマルトルの娯楽地区にあるダンス・ホールであるムーラン・ルージュの中心を通り、群衆を掻き分けて歩いているような錯覚に陥る。
脚を蹴り上げているダンサーは膝の上までスカートを持ち上げているが、見たところ裕福そうなつつましいピンクのドレスの女性は、顔に不満の色を浮かべているように見える。
パリの夜を描いた画家
パリの夜の観察者であったトゥールーズ=ロートレックは、ドガのバレエの描写に精通していた。この作品で彼は先輩芸術家を賞賛しているが、より組織化された社会構造(バレリーナは19世紀には労働者階級であり、多くは売春婦として働いていた)から、エンターテイナー、紳士、夜の女性などのダンスホールにいる登場人物へと場面の焦点を変えた。
中央のペア・ダンサーで表現されている動きは、周囲の群衆の相対的な停滞とは対照的である。中央にいる女性ダンサーは、まるで回るこまのようである。ロートレックは、ピンクのドレスから赤いストッキング、さらに背景の赤いブレザーへと、右から左に鑑賞者の視線が向かうように色を用いて絵画を構成している。
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