作品概要

出現》は、画家のギュスターヴ・モローによって制作された作品。制作年は1874年から1876年で、オルセー美術館に所蔵されている。

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作品の主題

本作の主題となっているのは、新約聖書のエピソードである。ユダヤ王ヘロデ・アンティパスの誕生日に、その継子サロメが舞を踊った。王はその褒美として彼女の欲しい物を何でも与えると約束した。

彼女は母ヘロディアにそそのかされ、洗礼者ヨハネの首を所望した。ヨハネはヘロデとヘロディアの結婚を不法なものであると非難したことで両者の怒りを買い、投獄されていたのである。

王は自らの発言を後悔したが、サロメの要求に応えるためにヨハネを処刑し、その首を銀の盆に載せて彼女に与え、彼女は彼の首を母親に渡した。

表現の解説

アルハンブラ宮殿風に装飾された室内を背景に、サロメは宝石が散りばめられた服を纏い、鑑賞者側に体を向けて立っている。彼女は左手で宙に浮かぶ後光差す洗礼者ヨハネの首を指さしている。

背景の薄暗がりには剣を持った処刑人が立っており、その足元には銀の盆がある。サロメの脇には、ヘロデ・アンティパスとヘロディアがいる。ヨハネの後光とサロメの服に反射した光に照らし出された眼前の光景に、彼らは目を向けている。

切断された頭部は、1869年の産業博覧会でモローが模写した浮世絵を彷彿とさせる。サロメを含む誰一人として、画面中央に配されたものに直接的な反応を示していないので、その光景が現実であるにせよ、サロメによる妄想であるにせよ、集団幻想であるにせよ、不自然になっている。

薄暗い室内と生地の豪華さによって想起される、超現実的設定や神秘的雰囲気が、主題の様々な解釈と対比をなし、同時に本作を象徴主義運動誕生の要となる作品にした。

様式

聖書の記述に反して、サロメは自らの欲望に従ってヨハネの首を求めたとモローは解釈しており、本作は彼のサロメ絵画シリーズの中でも最もあからさまなエロティックさで描かれている。

モロー自身がサロメについて以下のように表現している。「日々に退屈した幻想的な女性であり、生来のけだものであり、己の敵が辱められている様を自分に見せたいという欲望によって自分が満足していることにとてもうんざりしている」

単にアカデミー画壇の一員でいるよりもむしろ、自身の前衛的傾向を維持したモローは、サロメをヴィクトリア朝期に流行した魅惑的かつ破滅的なファムファタールとして描いた。本作は他のモロー作品と同様、シュールレアリスムの源となった。

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基本情報・編集情報

  • 画家ギュスターヴ・モロー
  • 作品名出現
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1874年 - 1876年
  • 製作国フランス
  • 所蔵オルセー美術館 (フランス)
  • 種類水彩
  • 高さ106cm
  • 横幅72.2cm
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