作品概要
《サンタ・ビビアーナ聖堂正面扉口》は、画家のジャン・ロレンツォ・ベルニーニによって制作された作品。制作年は1624年から1626年で、ローマに所蔵されている。

《サンタ・ビビアーナ聖堂正面扉口》はジャン・ロレンツォ・ベルニーニによって1624年から1626年に建築された。
サンタ・ビビアナ聖堂
この聖堂は聖ビビアーナというキリスト教の聖人に捧げられた聖堂で、その創建は363年に遡るという。聖ビビアーナは帝政ローマ期、ユリアヌス帝時代の女性であり、彼の行ったキリスト教徒の迫害の際に殉教した。
1624年、修復中であったこの聖堂の祭壇の下から聖ビビアーナとその家族の遺体が発見された。そのため簡素な修復だけで終わるはずだった計画が変更され、教皇ウルバヌス8世は聖堂をさらに装飾しようと考えた。そして自分のお気に入りで、すでに彫刻家として若年ながら活躍していたベルニーニに建築作品をも依頼したのである。
もっとも、ベルニーニが依頼されたのは正面の扉口(ファサード)だけであったが、ベルニーニの建築家としての才能もこれ以降発揮されることとなった。
作品
ファサードは上下2層に分かれている。下の層では4本の柱の間に3つのアーチがあって、玄関ポーチを形成している。上の層では同じく縦に3つに分割された建物がのっていて、中央はバルコニーになっている。バルコニーは当時大きな崇敬を集めた聖女の遺体を祝日に民衆に開示するという実際的な目的もあって設けられたのだが、このような構成によってファサードは聖堂というよりはむしろ宮殿のような趣を感じさせる。
ベルニーニが建築において重視した均整のとれた簡素さをこの小さな建築物はすでに予告している。
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