作品概要
《アポロンとダフネ》は、画家のジョン・ウィリアム・ウォーターハウスによって制作された作品。制作年は1908年から1908年で、個人に所蔵されている。

ギリシア神話のアポロンとダフネの物語が題材となっている。ダフネに恋したアポロンが拒絶するダフネを追いかけ続け、ついに追いついたその時、ダフネは月桂樹に変わってしまった。この絵画では、ダフネが今まさに木になってしまうという場面が描かれている。
アポロンとダフネ
神々の中でも一番の強さを競う戦士だったアポロンはある日、愛の神エロスが弓矢を持った姿を見て、弓矢は実戦で使うべきものなのにお前は人を恋に落とすだけだとからかった。この侮辱に腹を立てたエロスは、仕返しのために2本の矢を用意した。愛を生む金の矢と憎しみをもたらす鉛の矢である。まず、エロスは金の矢でアポロンを射た。アポロンは、ニンフのダフネに情熱的な恋心を抱くようになった。エロスは今度は鉛の矢でダフネを射て、ダフネがアポロンを憎むように仕向けた。
ダフネには求愛してくる者が多くいたが、彼女は永遠の処女を誓い、彼らを拒絶して森の中で過ごすことを好んでいた。アポロンもまたダフネに拒絶されるが追いかけ続け、ダフネは彼から逃げて回った。ダフネはアポロンにつかまることなく逃げ回ったが、エロスの介入によってついにアポロンに追いつかれてしまった。
ダフネはアポロンが彼女に追いつく直前、父親の河神ペネイオスに助けを求めた。すると彼女の四肢が麻痺し、柔らかな胸は樹皮に覆われ、髪の毛は木の葉に変わり、腕は枝に、足は根となってしまった。ダフネは月桂樹に変化したのである。アポロンはそれでも、ダフネに永遠の愛を誓い、勝利の場に彼女の姿があるであろうと述べた。このことから、月桂樹は勝利者に与えられる冠となった。アポロンはまた、自らの不老不死の力を使って、月桂樹を常緑にしたという。
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