作品概要
《ヴァンティミーユ広場》は、画家のエドゥアール・ヴュイヤールによって制作された作品。制作年は1911年から1911年で、ワシントン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

《ヴァンティミーユ広場》は、19世紀から20世紀のフランスの画家であり、ナビ派のひとりにかぞえられるエドゥアール・ヴュイヤール(1868-1940)によって1911年に制作された1枚である。
背景
ヴュイヤールといえば、1890年代に描いた家庭的で親密な室内の作品がよく知られているが、《ヴァンティミーユ広場》のような装飾画も手掛けた。本作は、マーガレット・チョウピン(のちのバシアーノ公妃)の依頼を受けて制作された。画家のピエール・ボナールを介してふたりは知り合った。最初は、ユニヴェルシテ通りの彼女のアパルトマンに《図書館》と題した装飾パネルを描いた。そして次が本作の《ヴァンティミール広場》である。
1911年の4月下旬か5月上旬に依頼されると、ヴュイヤールはすばやく取りかかり、同年の6月には完成させている。
くりかえし描かれた広場
本作は画家のアパルトマンから見た春のヴァンティミーユ広場(現在のアドルフマックス広場)を描いている。1908年夏、ヴュイヤールはクリシー通り26番地にあるアパルトマンの5階に住んでいた。そして、窓から見渡す街の風景をよく主題にしていた。ヴュイヤールは、街の静かなときも騒ぎのあるときもすべてを見ながら制作に没頭していたのだろう。ヴァンティミール広場を主題にして何枚も制作しており、劇作家のアンリ・ベルンスタンからも依頼を受け、3枚の装飾パネルに冬の広場を描いている。
本作は、画家のスタイルが確立され、円熟の域に達している。また、はっきりとした線で描き、奥行きを排除した画風は、日本美術からの影響を受けていると考えられる。
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