作品概要
《ベッドにて》は、画家のエドゥアール・ヴュイヤールによって制作された作品。制作年は1891年から1891年で、オルセー美術館に所蔵されている。

《ベッドにて》は、19世紀から20世紀のフランスの画家であり、ナビ派のひとりにかぞえられるエドゥアール・ヴュイヤール(1868-1940)によって1892年に制作された油彩画である。
ナビ派が好んだテーマ
寝室という生活に密接した題材はナビ派の画家が好んで描いたテーマだった。そのベッドで眠っている子供というきわめて単純なテーマを、ヴュイヤールは象徴的で謎めいた作品に仕上げている。
この作品の色数は最小限に抑えられ、グレーや黄土色といった地味な色調になっている。これにより、画面から静かな雰囲気が伝わっている。彼の絵画のなかで、無地の色面がこれほど多く描かれているのは本作だけである。
特徴的な輪郭線
大きな平面が画面を構成して、奥行きを縮めて描いている。それぞれの平面をくっきりとした線が縁どり、対象物の輪郭を作り上げているのがわかる。このことから、ヴュイヤールが浮世絵に影響を受けていたことが見てとれる。
眠りにつく子供もゆるやかな曲線で描かれている。これらの輪郭線は暖かさを感じさせるメリハリのきいた曲線になっており、背景にある色分けされた壁の直線的な部分とは対照をなしている。明るい部屋のなか、くっきりとした線で縁どられたベッドで眠る様子は質感や雰囲気などの感覚的なものではない、理知的なものを感じさせる。
また、『ベッドにて』のくすんだ色調には、フランスの画家ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《貧しき漁師》が反映されている。形態や色彩が最小限に抑えられ、抽象的に描かれている。
まず、全体の雰囲気が好きです。やわらかな色あいとシーツの自然なズレ感が優しい印象を与えます。子どもの顔の表現もシンプルに抑えられて知的さを感じます。洒落てますね。
2020年4月5日 2:43 pm, ID 16921おおおおすごい
2021年5月13日 2:25 pm, ID 44594