作品概要

アウグストゥスの時代、キリストの生誕》は、画家のジャン・レオン・ジェロームによって制作された作品。制作年は1852年から1854年で、J・ポール・ゲティ美術館に所蔵されている。

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これは19世紀フランスの画家ジャン=レオン・ジェロームが、ローマ皇帝アウグストゥスの治世とキリストの誕生という同時代の出来事を描いた寓意画である。

アウグストゥス時代の平和

アウグストゥスは、古代ローマの最も偉大な将軍カエサルの姪の息子である。息子が無かったカエサルは、若きアウグストゥスの将来性を見込んで、遺言で彼を相続人兼養子にしていた。カエサルが暗殺された紀元前44年にそれを知ったアウグストゥスは、カエサルの遺志を継ぐべく、次第に権力を得て初代ローマ皇帝となり、「ローマの平和」を樹立した。その後200年にわたってローマ帝国内各地では都市が繁栄し、全住民は平和を謳歌した。そのアウグストゥスの在位中(紀元前27~紀元後14年)に、イエス・キリストは誕生したのである。

劇場のような構図の頂点では、アウグストゥスはヤヌス神殿の前に座り、ローマを象徴する人間の肩に手を置いている。それを囲んでいるのは、学者や政治家たちだ。下方には異国の人々が集まっている。前景に誕生の場面を描くことで、その偶然の出来事を説明している。

講義のような絵画

ジェロームが国家から「寓意的な主題の大きな壁画」を描くよう依頼されたのは1852年、皇帝ナポレオン3世による第二帝政が始まった時だ。題材の選択はジェロームに任されていたが、この主題を選んだのは、“第二のアウグストゥス”とも言われていた依頼主ナポレオン3世におもねる意味もあったのかもしれない。その結果、支払われた多額の頭金を利用して、ジェロームは1853年以降数回にわたって東方を旅することになる。

下方に描かれているのは、アウグストゥスを表敬訪問する、ローマ帝国に征服された国々の人々である。その多様な人種を描くため、ジェロームは旅行中に、そのモデルとなるような民族のタイプを探したようだ。1855年の万国博覧会でこの作品が展示された際、様々な国民性を描く彼の技能について、彼の作品はいつも講義のようだ、と評した人々もいた。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジャン・レオン・ジェローム
  • 作品名アウグストゥスの時代、キリストの生誕
  • 分類絵画
  • 制作年1852年-1854年
  • 製作国フランス
  • 所蔵J・ポール・ゲティ美術館 (アメリカ合衆国)
  • 種類油彩 カンヴァス
  • 高さ37.1cm
  • 横幅55.2cm
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