作品概要
《夢》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1932年から1932年で、スティーブ・ウィン蔵に所蔵されている。

1932年、ピカソが50歳のときに描かれた作品である。本作品のモデルとなっている女性は愛人のマリー・テレーズ・ウォルターで当時22歳だった。このときピカソはオルガと結婚してたが、夫婦仲に不協和音が続いていた。1932年1月24日の午後のひとときを描いたもので、シュルレアリスムと初期のフォーヴィスムが融合した作風となっている。
作品のテレーズは肘掛け椅子に座って眠っており、コントラストのある色彩と歪みのある描写が特徴的である。背景のダイヤ柄がアクセントになっており、色の組み合わせも綺麗である。横顔と正面から見た顔が結合しており、背景、身体、ネックレス、洋服、洋服の皺、ソファの色が二分化されており、対立する二つの要素で構成されている。また凸凹感を出すことでテレーズの存在感が出ている。
本作品には専門家達から批判されている箇所があり、ピカソは自身の勃起した男性器とテレーズの身体を融合した状態を重ねてイメージして描いているため、右肩から右半身は自身の男性器の亀頭となっているのだ。
2006年に1億3900万ドルでコーエンに売却される予定だったが、所有者であるスティーブ・ウィンが作品に肘をついて穴をあけてしまった為売却がキャンセルとなった。穴の修復には長い期間がかかったものの、コーエンは2013年に1億5000万ドルで手に入れた。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。