作品概要
《織田信長像》は、画家の狩野永徳によって制作された作品。制作年は1584年から1584年で、大徳寺に所蔵されている。

本作は、織田信長の三回忌法要に際して、豊富秀吉が発注した作品。織田信長の最も著名な肖像画には、狩野元秀が天正十一年(1583年)に描いて長興寺に収蔵されている絵画があるが、その兄である狩野永徳が描いた作品。
天下人の画家による肖像画
狩野永徳は狩野派の棟梁として織田信長と豊臣秀吉につかえており、『唐獅子図屏風』や『洛中洛外図屏風』などを描いた。
安土城や聚楽第の障壁画も描き、信長や秀吉に近い人物であったため、本肖像画も信長の実像に近いものなのではないかと考えられている。
秀吉が書き直し
本作については、作品の書き直しが行われたことが2011年に明らかになった。当初の信長は薄茶ともえぎ色で左右色違いの「片身替わり」と呼ばれる派手な小袖を着ており、2008年から翌年にかけておこなわれた調査で見つかった。
現在の肖像が薄藍色の小袖に、薄茶色のはかま、脇差しを身に着けているのに対して、もともとのデザインの信長は「片身替わり」という流行の着こなしに、大刀・短刀を身に着けていた。
なぜ書き直しが命じられたかは不明だが、派手な信長の肖像を嫌がった秀吉の意向か、三回忌に相応しくないとして地味な衣装に変えられた可能性が高い。
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