作品概要
《パトモス島の聖ヨハネのいる風景》は、画家のニコラ・プッサンによって制作された作品。制作年は1640年から1640年で、シカゴ美術研究所に所蔵されている。

ニコラプッサンは17世紀のフランス画家で最も影響的な画家であった。そして彼の芸術は古典的バロックの理想となった。しかしながら、フランス出身者であった彼は、イタリアで生涯のほとんどを過ごした。イタリアはプッサンが大変称賛し、古代ギリシャローマ文化の廃墟と遺物に親しんだ場所であった。
主題
古代ギリシャ思想である新ストア主義の学び、道徳的義務の徹底した追求、感情の抑制は彼の作品に相当な影響を及ぼした。主に、歴史画や聖書と神話的な描写に捧げたので、想像上に再現したギリシャのパトモス島の伝導者ヨハネの啓示に見られるように、プッサンはしばしば風景の中に彼の主題を設定した。聖ヨハネはキリスト教信仰のためローマ皇帝により、島に追い出された。彼は前景に座りヨハネの黙示録の彼の理想を記録している。聖ヨハネの伝統的なシンボルである鷹が、彼の後ろで横を向いて立っている。この作品は連作のうちの一つであり、もう一つは聖マタイが描かれており、ベルリン美術館に展示されている。
新ストア主義とプッサンの表現
自然の法則や根源の重要性が置かれている新ストア主義を支持したプッサンは、彼が描く自然風景の上に厳密な秩序を課していた。空間的な奥行きは、様々なジグザグの種類と、前景から中間へ、そして後景へと少しづつ目線を導くカーブにより、一層明確になり強調されている。三角形のように繰り返される形もまた、自然界の構造と秩序を強調している。
聖人を囲む古代の廃墟はキリスト教の新しい真実により取って代わられる、ギリシャローマ界の異教徒信仰の衰退を暗示することを意味している。付け加えると、遠方にある古代ローマの認識できる歴史的建造物に、プッサンは古代エジプトのオベリスクとコリント式支柱の構造のような想像上の寺院を含ませた。
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