作品概要

ヴィーナスの誕生》は、画家のウィリアム・アドルフ・ブグローによって制作された作品。制作年は1879年から1879年で、オルセー美術館に所蔵されている。

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《ヴィーナスの誕生》はブグローの作品の中でも特に有名なものの一つである。海の泡からヴィーナスが誕生するという実際の神話で描かれた誕生の情景ではなく、この絵画では成熟した女性の体で貝に乗り、キュプロス島のパフォスに着いた時の様子が描かれている。ミロのヴィーナスと同様に、この女神は古代ギリシャやローマの理想的な女性美の姿とされていた。

ローマ賞受賞の大作

ブグロー自身にとっても《ヴィーナスの誕生》は力作であった。高さ3メートル、横2.18メートルという巨大なキャンバスがそれを物語っている。この作品は1879年のサロン・ド・パリのために描かれ、ローマ賞を受賞した。

絵画の中央には貝殻の上に立つ裸のヴィーナス、手前には彼女を引っ張ってきたイルカがいる。キューピッドとプシュケを含む15人の天使たち、数人のニンフとケンタウロスがヴィーナスの到着を見るために集まっている様子が描かれている。ほとんどの人物がヴィーナスの方に注目しており、二人のケンタウロスが彼女の到着を知らせるために巻き貝を吹いている。

女性の理想的な体とされたヴィーナスとそのモデル

ヴィーナスは女性的な美しさと姿を具現化したものとされている。頭は少し傾けられ、顔の表情から穏やかさと居心地の良さが感じられる。腕を上げ、太ももまで伸びる茶色の髪を整えながら、優雅なS字カーブを裸体で形作り、美しい身体の曲線を強調している。

ヴィーナスのモデルはリーニュの姫、マリー・ジョルジーヌだ。1861年にパリで恋人と短い休暇を楽しんでいた際、二人はブグローの《プシュケの誘拐》と《フローラとゼピュロス》の2作品でモデルをつとめた。本作のヴィーナスを含め、ブグローはその後のスケッチや絵画でもこのカップルの写真を参考にしていた。《夜》という作品も彼女がモデルだ。

ヴィーナスの姿はブグローが1年前に描いた《ニンフたち》の中にいる一人のニンフを拡大した姿である。しかし、ヴィーナスの姿勢の方がより情熱的で、ニンフよりも髪が長く、明るい色になっている。髪の整え方もほぼ対称形だ。一方、ニンフはヴィーナスよりも少し細身で、胸も大きく丸く描かれている。

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基本情報・編集情報

  • 画家ウィリアム・アドルフ・ブグロー
  • 作品名ヴィーナスの誕生
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1879年 - 1879年
  • 製作国フランス
  • 所蔵オルセー美術館 (フランス)
  • 種類油絵
  • 高さ300cm
  • 横幅218cm
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