作品概要
《ヴァージナルの前に座る若い女》は、画家のヨハネス・フェルメールによって制作された作品。制作年は1670年から1672年で、ダラス美術館に所蔵されている。

本作品はベイト・コレクション旧蔵で、文献で初めて紹介されたのは1904年であるが、長年模作または贋作と見なされていた。専門家による鑑定の結果、キャンバスと絵具が17世紀のものであることが明らかとなり、フェルメールの真作と見なされるようになったのは2004年のことであった。そして同年のサザビーズのオークションに出品されて一般に知られるようになった。
『ヴァージナルの前に座る若い女』はヨハネス・フェルメールによって描かれた絵画である。この絵画の起源は不明であるが、フェルメールの生きた時代にピーテル・ファン・ライフェンが所有し、のちにヤコブ・ディシウスによって相続されたと考えられている。
この絵画は財界の大物であったイギリス人、アルフレッド・バイトが所有していた2つのフェルメール作品のうちの1つである。1960年にベロン・ローリンが購入するまでバイト家が所有していた。その絵画は1904年にバイトの収集品のカタログが出版されるまで広く知られていなかった。
1904年から数十年、その作品はフェルメール作品として広く受け入れられた。それから20世紀の中頃、この作品を含め、いくつかのフェルメール作品はハン・ファン・メーヘレンによる贋作(がんさく)であるということが分かり、贋作だと言われた作品群は人気を失った。
1993年にベロン・ローリンは美術品の国際競売会社、サザビーズにこの絵画の研究依頼を出した。殆どの専門家による一連の技術的な試験で、フェルメールの死後、部分的に改変された可能性はあるがこの作品がフェルメールによるものであるということが判明した。
ベロン・ローリンの相続人は2004年、サザビーズを通して『ヴァージナルの前に座る若い女』を売りに出し、美術品収集家のスティーブ・ウィンが3000万ドルで入札した。この絵画はのちに美術品収集家のトーマス・カプランが購入した。
近年、アメリカ、イギリス、日本、イタリアなどで開催されたフェルメール展でこの絵画も展示された。
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