作品概要
《聖セシリア》は、画家のジョン・ウィリアム・ウォーターハウスによって制作された作品。制作年は1895年から1895年で、個人に所蔵されている。

音楽家の守護聖人
音楽家の守護聖人である聖セシリアを描いた作品で、テニスンの詩「芸術の宮殿」に着想を得ている。1895年のロイヤル・アカデミーの展覧会で展示された。
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスは19世紀後半から20世紀初頭にかけて活動した画家。神話や伝説、歴史などを題材とした作品が多い。この《聖セシリア》を描いた同年の1895年、ロイヤル・アカデミーの最高芸術院会員に選出されている。
セシリアはヴィオラ、オルガンなどの楽器を演奏している姿で描かれることが多いが、ここでは椅子に腰かけて眠っている。膝の上には彩色された歌の写本らしきものが開かれている。セシリアの目の前では、彼女が弾いていたであろうオルガンの両側に2人の天使がひざまずいて、彼女に向かって楽器を演奏している。背景には海が描かれている。
殉教者
聖セシリアは2世紀に実在した人物で、キリスト教の殉教者である。伝承によると、ローマの裕福な家庭に生まれたセシリアは、キリスト教信者となって純潔の誓いを立てたが、両親により異教徒の男性と結婚させられてしまう。結婚式が執り行われる間、彼女は心の中で神に歌を捧げていたという。このことから、彼女は死後、音楽家の守護聖人となった。
セシリアは、キリスト教に改宗した夫たちとともに処刑され、殉教した。その際、セシリアは首に剣を3回切りつけられても息絶えず、3日間生き延びたという。ローマで彼女が住んでいたと言われる場所には、彼女を称えサンタ・チェチーリア教会が建立された。
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