作品概要
《ベニス、小さな広場》は、画家のジャン=バティスト・カミーユ・コローによって制作された作品。制作年は1835年から1845年で、ノートン・サイモン美術館に所蔵されている。

《ベニス、小さな広場》は、フランスの画家ジャン=バティスト・カミーユ・コローにより1835年から1845年にかけて制作された油彩画である。ノートン・サイモン美術館所蔵だが、2018年現在は展示されていない。
この絵画は、ヴェネツィアのリヴァ・デッリ・スキアヴォーニ(スキアヴォーニ河岸)にある遊歩道を描いている。
イタリア滞在
コローは、1830年代半ばにイタリアに3年間滞在した。この作品は、イタリア滞在中に描かれたヴェネツィアの風景の詳細なスケッチをもとにしている。コローはフランスに帰国した後、アトリエで作品を完成させた。
堅実な詳細描写
詳細に描かれた広場の建築物の合間に、様々な衣装の人々が点在するように描かれている。左手には、まるで海のようなサン・マルコ運河が見える。
細部に注目した描写は完璧である。建築物に使われている石、さらに人物の衣装の細かな描写は非常に正確である。この技術は、18世紀前半の風景画家カナレットの影響を物語っている。カナレットは壮大なヴェネツィアの風景画を描いたことで有名であり、そのどれもがまるで写真のように写実的であった。
コローの絵画では珍しいが、主題に対するこの堅実な描写は、他の多くのコロー作品に見られる叙情的で表情豊かな描写と比較すると、非常に興味深い。
関連作品
1828年から1834年にかけて描かれた同タイトルの作品があるが、これは同じ場所を違う角度から見て描いたものである。こちらはルーヴル美術館に所蔵されている。
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