作品概要
《イタリア風景、日の出》は、画家のジャン=バティスト・カミーユ・コローによって制作された作品。制作年は1835?年から?で、J・ポール・ゲティ美術館に所蔵されている。

《イタリア風景、日の出》は、フランスの画家ジャン=バティスト・カミーユ・コローにより1835年頃に制作された油彩画である。J・ポール・ゲティ美術館に所蔵されている。
イタリアの風景
コローは、1820年代、1834年、1843年と、生涯で三度イタリアを訪れている。イタリアは、コローがフランスのアカデミーの束縛から解放され、さらに才能を成熟させた場所であった。コローはイタリアの太陽で輝く風景の中に自身の理想を見出し、多くの風景画を制作した。
関連作品
イタリア旅行中に描かれた思い出やスケッチからなるこの風景画は、おそらく1839年のパリ・サロンに出展された湖と漕ぎ手の風景画、《湖とボートマンの風景》の対画であろう。1984年にJ・ポール・ゲティ美術館に所蔵されるまで、これらの二作品は紛失されたものだと数十年に渡り考えられていた。
時間によって異なる表情を見せるイタリアの風景を描いたこれらの作品は、コローと同国の17世紀の画家、クロード・ロランの作品を手本としている。
図像解説
背景の古代遺跡や歌い踊る農民は、朝の金色の光を浴びている。左側では美しい牛たちが、光を反射している水の中を歩いている。その後ろ側には、遠くに現代的な街並みが見える。
生涯の大半をローマで過ごし、美しい風景を描き続けたクロード・ロランと同様、コローは、古代と現代の文化が詩的な調和によって共存するユートピア的な風景を描き出した。
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