作品概要
《聖家族》は、画家のアーニョロ・ブロンズィーノによって制作された作品。制作年は1540?年から1540?年で、ウフィツィ美術館に所蔵されている。

《聖家族》はアーニョロ・ブロンズィーノによって1540年ごろに制作された油彩画である。この絵はフィレンツェの政治家で人文主義者のバルトロメオ・パンチアティキによって注文された。彼の紋章が画面の左奥に描かれた城の塔に掲げられているのが見える。この絵は現在はフィレンツェのウフィツィ美術館に所蔵されている。
聖家族・エジプト逃避
この絵のテーマは「聖家族」である。「聖家族」は文字通りキリストと母マリア、そしてその夫ヨセフの3人を中心に描いたテーマで、親愛の情のこもった内容からキリスト教絵画のテーマの中でも最も好まれるものの一つである。画面には聖母マリア、その夫ヨセフ、イエス・キリスト、そして聖母マリアの従姉妹の子でキリストより少し前に生まれた洗礼者ヨハネが描かれている。
眠っているキリストは旅の荷物の上にもたれかかっているが、これは「エジプト逃避」の物語をも暗示している。「エジプト逃避途」は『新約聖書』「マタイによる福音書」2章で述べられる物語である。それによれば、当時のユダヤの地の支配者ヘロデ王はキリストの誕生に際し「未来の王が生まれた」との預言を受けた。自分が王位を追われることを恐れ、ヘロデは赤子を次々に殺したので、キリスト一家はエジプトに逃れたという。
様式
この絵の人物の彫刻的な堅固な形態にはミケランジェロの影響が感じられる。それは肌のなめらかな質感や人物の静止したようなポーズにも表れている。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。