作品概要
《夜明けの木の下の農民》は、画家のジャン=バティスト・カミーユ・コローによって制作された作品。制作年は1840年から1845年で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

《夜明けの木の下の農民》は、フランスの画家ジャン=バティスト・カミーユ・コローにより1840年から1845年の間に制作された油彩画である。ロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。
コローと風景画
戸外の風景に直接材を取って描かれたコローの作品は、あくまでも個人的なものであり、パリのサロンには出展されなかった。それらの作品はコローの死後、ドガを含む同時代の仲間の画家たちによって買われることとなった。
1824年のサロンで展示されたジョン・コンスタブルの風景画に触発されたコローは、幸運にもその活動を両親から支えられ、結果、芸術史の中で最も控えめな革命家の一人となった。
ニコラ・プッサンやクロード・ロランから派生したフランスの「理想的な風景」の伝統から現代的な風景画にいたるまで、コロー作品は自然の中にある古典的な平和と調和を見出すことに成功している。
図像解説
この作品は、ブルゴーニュ地方ディジョン西部のモルヴァン地域で描かれた。1840年代初め、コローはブルゴーニュ地方を頻繁に訪れていた。そこにはコローの父親が生家があったため、親しみを感じていたに違いない。
農夫は木材を切っており、妻がそれを手伝っている。早朝の新鮮な涼しい光で照らされた空に対し、木々や遠くの村の建物が霞んだシルエットを描いている。草の上には木の長い影が落ちており、右側にいるガチョウの背中には、白い羽毛の光沢が見える。
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