作品概要
《負傷したアマゾネス》は、画家のフランツ・フォン・シュトゥックによって制作された作品。制作年は1904年から1904年で、ファン・ゴッホ美術館に所蔵されている。

《負傷したアマゾネス》は、ドイツの画家、彫刻家、版画家、及び建築家のフランツ・フォン・シュトゥック(1863-1928)による絵画である。
シュトゥックは、ミュンヘン分離派グループの創始者の一人である。彼はスイスの象徴主義の画家、アルノルト・ベックリンに影響され、主に神話などを絵画のテーマとして用いた。
作品のテーマ
《負傷したアマゾネス》には、膝をつき、血を流しているアマゾネスが描かれている。
背景から見て取れる通り、彼女はアマゾネスとケンタウロスの間の戦いで負傷している。
ギリシア神話のアマゾネスをもとに
アマゾネス(アマゾーン)とは、ギリシア神話に登場する、女性のみで構成された部族のことである。
非情で攻撃的な彼女たちは、一生を戦いに捧げる部族として、神話の中で描写されていた。
象徴主義を物語る作品
シュトゥックは当時、象徴派を代表する画家として、ヨーロッパ中で活躍していた。
象徴主義は、自然主義や写実主義のような、理想ではなくありのままの現実を描こうとする画法に対抗する形で、形成されて行ったものである。日常的な世界を理想世界へと上昇させて表現することに重きが置かれた。
精神や想像の世界、そして夢を描くことが主であったが、この作品もその例外ではない。
作品の来歴
本作は、シュトゥックのスタジオで撮影されたモデルの写真をもとに、制作された。シュトゥックは本作を3種類描いている。
その内の一作は現在、オランダのアムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館が所蔵しており、もう一部はアメリカのケンブリッジ・マサチューセッツ州にあるハーバード大学美術館の中の、ブッシュ・ライジンガー美術館に収蔵されている。
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