作品概要
《巨大な赤い龍と太陽の衣をまとった女》は、画家のウィリアム・ブレイクによって制作された作品。制作年は1805年から1805年で、ブルックリン美術館に所蔵されている。

《巨大な赤い龍と太陽の衣をまとった女》は、1805〜1810年にかけて作られた《巨大な赤い龍》の水彩画シリーズの一つで、イギリスの詩人また画家であるウィリアム・ブレイクによって描かれた作品である。
この時期に、ブレイクは任命を受け、百作を超える聖書の挿絵を描いていた。このシリーズでは、ヨハネによる黙示録に出てくる巨大な赤い龍に関する様々なシーンを描いている。
黙示録のワンシーン
ヨハネによる黙示録、つまり新約聖書の最後の書には、クリスチャンが信仰を保ち守るように、という一連の警告が収められており、次いで、背教の結果を示す寓話が述べられている。ブレイクの《巨大な赤い龍と太陽の衣をまとった女》は、次の一節を描いたものである。
すなわち、『七つの頭と十本の角があり、その頭には七つの王冠がある火のような色の大きな龍』が『月がその足の下にあり、頭には十二の星の冠がある、太陽で身を装った女』の上に降りていく場面だ。龍はサタンを具現化したものである。そして彼は復讐を図り、神の信者であり信仰を広めるクリスチャンたちを産み出した女に対して攻撃しようとしている。
シリーズの他の作品
他にも三つの水彩画が《巨大な赤い龍》に関する作品集に出てくる。ただ、それらのテンペラ画および水彩画は、ブレイクの最も重要なパトロンである、トーマス・バッツのために制作された作品たちのほんの一部に過ぎない。
なお、本作と似た作品として、シリーズ中に《巨大な赤い龍と太陽を着た女》があるが、本作とは違った観点から描かれたものである。
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