作品概要
《赤い帽子の女》は、画家のヨハネス・フェルメールによって制作された作品。制作年は1665?年から1666?年で、ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

異色の作品
《赤い帽子の女》は多くの理由で異色とされている作品である。これはヨハネス・フェルメールが1665年から1666年頃に描いて、署名も記されている。
しかしながら、フェルメールにしては珍しくカンヴァスに描いた油絵ではなく、再生された木製パネルに描かれている。ゆえに専門家の意見が分かれ、フェルメールの作品でないという者もいる。
モデル
本作に描かれた赤い帽子の女は、フェルメールの家族か知り合いの肖像画ではないかと言われているが、明確に立証されてはいない。いずれにせよ、最も小さい作品の一つだということと、カンヴァスではなく木製パネルに描かれた油絵という点で、フェルメールにとって非常に珍しい作品とされている。
心理的なゆらぎ
また構図においても、本作は見る者に心理的なゆらぎを与えている。女は椅子をずらして、顔をこちらにむけて凝視している。また絵の画面が二分されている点でも異色な構図となっている。
一つは帽子の明るく活気のある赤色で、もう一つは画面下の洋服の豪華な青色の部分だ。しかしながら、クラバットと呼ばれる襟元の際立つ白と青色の衣服の光った部分の白は、画面の全体を統一させている。
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