作品概要
《幸福の寓意》は、画家のアーニョロ・ブロンズィーノによって制作された作品。制作年は1564年から1564年で、ウフィツィ美術館に所蔵されている。

《幸福の寓意》はアーニョロ・ブロンズィーノによって1564年に制作された銅版の上に描かれた油彩画である。この寓意画はトスカーナ大公の継承者でのちに第二代トスカーナ大公となるフランチェスコ・デ・メディチによって注文され、現在はウフィツィ美術館に所蔵されている。
寓意画
西洋美術においては抽象的な概念を人物やその持ち物、道具立てによって視覚的に表す習慣があった。例えば不安定な球体や車輪とともに描かれた女性は「運命」という概念を表し、天秤を持つ女性は「公正」という概念を表す。このような人物像は擬人像と呼ばれている。
擬人像やその他の道具立てを組み合わせることによってさらに複雑な内容を表す「寓意画」と呼ばれるジャンルは、特にルネサンス以降教養ある人々の間で好まれた。ブロンズィーノもこのような絵画を多数手がけたが、これはその一つである。
作品
画面の中央にいるのは「幸福」の擬人像である。彼女の膝クピドがもたれかかっている。両脇には二つの顔を持つ「賢明」の擬人像と天秤を剣を持つ「正義」の擬人像がいる。上空では「名声」がトランペットを吹き、「栄光」が月桂冠を手にしている。足元には「時」を表す老人や車輪を持った「運命」が跪いている。
これらの複雑な人物群の組み合わせにより、この絵は、もし人が賢明であり、正義を行えば、時の流れや運命に負けることなく幸福を得ることができ、それが名声や栄光につながるのだということを示している。
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