作品概要

アルメの踊り》は、画家のジャン・レオン・ジェロームによって制作された作品。制作年は1863年から1863年で、デイトン美術館に所蔵されている。

詳細な画像を見る

19世紀フランスの画家ジェロームは、1854年以降たびたび訪れたトルコやエジプトなど異文化圏を主題とする風俗画を描くようになる。ここに描かれているのは、アルメと呼ばれる女性ダンサーが、オスマン帝国の傭兵に踊りを披露している場面である。

主題:アルメ

アルメとはアラビア語で「学識のある女性」を意味する言葉であり、詩と音楽の制作や、演奏家としての訓練を受けた、ハーレムの中の特権階級の女性に由来している。男性には彼女たちを見ることが許されていなかった。一方、ガワジーと呼ばれる別の踊り子は、女性と男性の前で歌や踊りを披露した。1850年頃までにアルメはどちらの踊り子も意味するようになり、言外に娼婦をほのめかすようにもなった。

中央に立つアルメは、画面右側のミュージシャンたちの伴奏で、非常に官能的な踊りを画面左側の兵士たちに披露している。ミュージシャンが演奏しているのは、粘土で作った太鼓や二弦の弦楽器、ダブルリードの管楽器だ。兵士たちはバシ・バズーク、つまりオスマン帝国の傭兵であり、独特な身なりで不品行と言われていた。そういった意味で、この作品は、粗野な男性と官能的な女性、という印象を与えている。また、カイロの風景が垣間見える左側の戸口が兵士たちによって塞がれていることや、壁に掛けられた武器などから、アルメが抑圧されていることも窺える。彼女が悲痛な表情なのは、そのせいかもしれない。

オリエンタリスム絵画

19世紀を通して、西欧の人々は、オリエント(東方)と総称した中東やアジアの国々に魅了されていた。そこに異国情緒と原始的な雰囲気を感じていたのだ。したがって、ジェロームの描く、緻密で滑らかな筆致の東方の情景は、まさに彼らが思い描いた東方であり、民俗学の報告書のような価値があった。1864年のパリのサロンにこの作品が出品されると、なかには官能的すぎる、不道徳すぎる、などと非難する人々もおり、多いに物議を醸すことになった。しかし、それまでに築かれていたジェロームの名声は揺るぐことなく、その後もフランス学士院に選出されるなど、芸術アカデミーの大御所への道を歩んでいく。

作品をもっと見る

基本情報・編集情報

  • 画家ジャン・レオン・ジェローム
  • 作品名アルメの踊り
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1863年 - 1863年
  • 製作国フランス
  • 所蔵デイトン美術館 (アメリカ合衆国)
  • 種類油彩、板
  • 高さ50.2cm
  • 横幅81.3cm
  • 投稿日
  • 編集者
  • アルメの踊りの感想を書き込む

    こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。