作品概要
《プロイセンのルイーゼ王妃》は、画家のエリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランによって制作された作品。制作年は1801年から1801年で、シャルロッテンブルク宮殿に所蔵されている。

ベルリンで描かれた習作
ヴィジェ=ルブランがベルリン滞在中に製作した作品。プロイセン王妃ルイーゼ・フォン・メクレンブルク=シュトレーリッツの肖像画の習作である。
ヴィジェ=ルブランは、フランス革命の影響で国外を転々としていたが、1802年、長い亡命生活を経てようやく故郷フランスへ戻ることができた。6年間滞在したロシアからパリへ戻る途中、ベルリンに6か月間滞在している。ベルリンではホーエンツォレルン家の人々に歓迎された。ポツダムに招かれた彼女は、プロイセンのルイーゼ王妃の整った高貴な顔立ちに魅了された。
ヴィジェ=ルブランが感動したのは、ルイーゼ王妃の見た目だけではなく、彼女が反フランス革命派だったこともあると思われる。彼女はナポレオンから「美しき敵対者」と呼ばれたこともある勇敢な女性だった。ヴィジェ=ルブランは彼女に、昔のパトロンであったマリー・アントワネットの面影を見ていたのかもしれない。
国民に愛された王妃
プロイセン王妃ルイーゼ(1776-1810)は、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世の妻。国王との間に9人の子供をもうけ、その中には後のプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世と、初代ドイツ皇帝ヴィルヘルム1世が含まれる。
1807年に、ナポレオン戦争でのプロイセンに圧倒的に不利な講和条約に関して、フランス皇帝ナポレオン1世との交渉で粘り強く毅然とした態度を見せたことが、ルイーゼを後世にまで語り継がれる存在とした。当時もプロイセンの国民から絶大な支持を得て愛された王妃であった。
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