作品概要
《窓辺で手紙を読む女》は、画家のヨハネス・フェルメールによって制作された作品。制作年は1657年から1659年で、アルテ・マイスター絵画館に所蔵されている。

『窓辺で手紙を読む女』は、ヨハネス・フェルメールの作品である。1657年頃に描かれ、若い女性のドレスとカーテンの間の壁に「JMeer」とサインがされている。現在は、ドイツ・ドレスデンのアルテ・マイスター絵画館に展示されている。
この作品の変遷については、画家の創作の最初の段階であると考えられ、画家の好みと独特な特徴づけが表れており、ウォルターリートケをして「フェルメールほどに素晴らしく不完全な画家はいない」と言わしめた。この絵は、部屋の中の親密な1シーンを表している。若いブロンドの女性が、立ちすくみ、開かれた窓に向けて手紙を読み、観る者に横顔を向けている。
奥の壁と部屋の左側の壁だけが見える。左側に見える窓には2つの扉がついており、木の支柱は絵の縁に沿って描かれている。この時代のオランダの典型的な窓の形であり、その右側部分である。
この窓の仕様は、フェルメールの他の作品『士官と笑う娘』にも描かれている。内側の奥の壁に向かって大きく開かれた少し下段に位置する窓からは、鉛でしつらえられた格子模様が見える。そこに女性の顔と上半身が映し出されている。上段の窓は、額縁によって切り取られているが、1枚目の半透明のベージュ色のカーテンによってほの暗くなっている。2番目のもっとずっと長い赤いカーテンは、1度窓の支柱に垂れ下がって折り曲がり、窓の後ろ側にかかっている。
前景は、左側に寄せられたテーブルが占領している。そのテーブルは、オリエント風の絨毯によってカバーされており、上段の皿以外見ることはできない。この17世紀のオリエント風絨毯は、床に敷くにしては高価すぎるものであった。このフェルメールの作品は、1826年には彼の作品ではないという鑑定が下され、来歴が危うくなりかけたが、1860年にフランス人鑑定家によって彼の作品だと再鑑定された。
現在ではアルタ・マイスター美術館に保存状態良好の状態で保管されている。
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