作品概要
《唐箕》は、画家のジャン=フランソワ・ミレーによって制作された作品。制作年は1847年から1848年で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

《唐箕》は、フランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーによって、1847年から1848年にかけて描かれた油彩画である。ロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。
唐箕(穀物からもみ殻を選り分ける行為)を行う農夫が描かれている。他にも同タイトル、別バージョンの絵が複数存在し、ルーヴル美術館等に所蔵されている。
転換点的な作品
ミレーの初期の作品は18世紀のパストラルを手本としていたが、1840年代には、画家オノレ・ドーミエの影響を受けて、より迫力のある、落ち着いたスタイルで描くようになった。1848年に描かれたこの作品は、新しい方向性へと進み始めたミレーの転換点と言える。ミレーは神話や絵になる主題を放棄して、新しい英雄である農民に注目した。
評価
この絵が1848年のサロンに出展されたとき、評論家のゴーティエは「ブルジョアを脅かすために必要なすべて」を持っていると称賛した。作品は、同年二月に起きた革命に続いて新しい共和国の内相に任命されたルドリュ・ロランによって購入された。
荒々しい主題は、光が主に当たっている農夫のブラウス及び手によく表れているような力強い塗り方と、よく調和している。
色
赤、白、青(フランスの三色旗の色)で描かれた農夫の色使いと、主題である唐箕そのものは、政治的な意味を意図している可能性がある。もみ殻は農夫によって空中に舞い、その輝く色調は、納屋の暗い色調とは対照的である。
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