作品概要
《眠る女》は、画家のヨハネス・フェルメールによって制作された作品。制作年は1657年から1657年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

『眠る女』は、ヨハネス・フェルメールの1657年の作品で、ニューヨークのメトロポリタン・ミュージアムに展示されている。ドナーの遺贈の名のもとに、他の場所には貸し出しされない事になっている。
テーマは、愛への失望である可能性がある。若い女性の姿勢は、紀元前9世紀のアッティカ族の葬儀の際の彫刻やゴシック細密画に似ている。薄く光がかかっている後ろには、『仮面を踏むキューピッド』の絵が見える。この時代に使われた象徴的な言葉《愛は誠実さを要求する》によると、この寓意画は不誠実さを表しているという。
1匹の犬と一人の男性が、奥の部屋の壁にかかる鏡に置き換えられている。そしてこれは、経験がいかに早く過ぎ去ったかを示唆している。ニコラス・マエスの『眠るメイド』という作品と比較され、この作品は1696年のカタログに『テーブルで眠っている酔いつぶれたメイド』のタイトルで登録された。
ワインカラフェ、ワイングラス、散らかった部屋などは酩酊というテーマで示される。愛への夢と酩酊との狭間で、断ち切る事のできない思い-フェルメールは閉ざされた空間で光と影を上手に操り、見る人によってどうにでもとれる独特な雰囲気を創り上げている。
「フェルメールの描く全ての絵画には、子供時代の思い出、夢の静寂さ、完全な不動の世界、メランコリーと呼ぶにはあまりにも繊細な物悲しい光、全てが漂っている。レアリズム?ほど遠いよ。彼の絵は、粗野なものや現実世界からはほど遠いところにある」とヨハン・ホイジンガは1932年に述べている。
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