作品概要
《取り持ちの女》は、画家のヨハネス・フェルメールによって制作された作品。制作年は1656年から1656年で、アルテ・マイスター絵画館に所蔵されている。

『取り持ち女』は、ヨハネス・フェルメールのカンヴァスに油彩の作品。画面の左下に1656年の日付とサインがされており、『天文学者』と『地理学者』に続いて唯一日付とサインが同時にされている3作品の中のひとつ。
ドイツ・ドレスデンのアルテ・マイスター絵画館に保管されている。フェルメールの最初の風俗画として知られており、売春宿として分類されオランダの絵画界において広く普及した。恐らく売春宿の中にいるであろう4人の人物がいる。
左にいる人物はしばしば作者の自画像だと捉えられる。彼の左側にいるのが、絵のタイトルにもなっている仲介役の女性である。その次にお客である赤い服の男性、高級娼婦の黄色い服の女性と続いている。歴史家たちはこの作品を必ずしもフェルメールの特徴が色濃く表れている作品として見なしてはいない。ピーテル・ウィレンスは1950年にこの絵がもしもフェルメールの手による作品であるならば、独自のやり方で模索した試作的作品であると証言している。
また、エドゥアルド・トラウトショルトは、《24歳のフェルメールの気質が初めて完全に明らかになった作品》と考え、1656年以降の彼の作品の出発点になった作品だとしている。例えば、この絵で初めて我々は絨毯のかかった手すり、絵の中に見える人物をシャットアウトするバリケードのようなものを見ることができ、フェルメールの他の7作品の中でも同じ構造が描かれている。
ダニエル・アラスは『聖プラクセディス』や『マリアとマルタの家のキリスト』などカトリックを題材にした作品から風俗画へ変遷していった経過を次のように仮定している:1652年にカタリーナ・ボルネスと結婚しカトリックに改宗したフェルメールだったが、彼が人生の大部分を過ごしたオランダのデルフトの町にはプロテスタントの人口が多く、顧客に合わせてより需要の多い風俗画を多く描くようになっていった。
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