作品概要
《キューピッドからの贈り物を姉妹に見せるプシュケ》は、画家のジャン・オノレ・フラゴナールによって制作された作品。制作年は1753年から?で、ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

《キューピッドからの贈り物を姉妹に見せるプシュケ》はキューピッドとプシュケの古典的な神話のエピソードを描いたもので、その物語は帝政ローマの弁論家アプレイウスの『黄金のろば』に由来する。
来歴
本作品はフラゴナールキャリア初期の作品で1753に制作された。この年は画家がローマ賞を受賞しる翌年であり、まだ最初のイタリア旅行に出発する前のことであった。この作品はすぐに成功を収め、他の作品とともに1754年にはベルサイユ宮殿に展示されたが、その後はシャルル=ヴァン・ルーの台頭よって評価を失って行った。
本作品においてフラゴナールは、自身が師事したブーシェによって確立された手法を、さらにエレガントなスタイルへと昇華した。細部の多くは1737年にブーシェが描いたスケッチに由来する。それらはブーシェがキューピッドとプシュケの物語を一連の作品としてタペストリー上に描くために描かれたものだった。
キューピッドとプシュケの物語
フラゴナールによるキューピッドとプシュケの物語は、おそらくラ・フォンテーヌ版の『ファーブル』に基づいている。プシュケと恋に落ちた後、キューピッドは夜にだけプシュケに会いに行き、キューピッドの顔を見ることを禁じた。
この絵の中で、プシュケは2人の姉妹に恋人キューピッドからの贈り物を見せる。嫉妬から(怒りは空に現れている)、2人の姉妹はキューピッドの素性を隠すようプシュケを説得し、彼女の幸せを打ち壊した。
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