作品概要
《好奇心》は、画家のジャン・オノレ・フラゴナールによって制作された作品。制作年は1775年から1780年で、ルーヴル美術館に所蔵されている。

《好奇心》はフランスのロココ期の画家ジャン・オノレ・フラゴナールの作品である。
この小さな作品はフラゴナール作品の中でも最も早くルーブル美術館に収蔵されたものの1つだが、おそらくはその小ささ故に展示されておらず、長い間専門家達にも知られていなかった。
図像解説
グレーのカーテンを掴んでいる2人の少女が、絵の鑑賞者の方を見ている。右側の子の顔は半分しか見えていないが、左側の子は大胆にも十分な視野を確保している。彼女はいたずらっぽい笑みを浮かべ、片腕をカーテンの裏側に通し、明らかに右側の花瓶からとったと思われるバラを投げようとしている。開いたカーテンによって、不注意にも右の乳房が見えている。
《好奇心》では特にエレガントな色使いが見られ、控えめなピンクとくすんだ赤の細やかな変化が、パールグレーとキラキラとした白のカーテンによって装飾されている。この小さなシーンの見つめあいは、誰が誰を驚かせたのかという顕著なミラー効果を創り出している。
このシーンの雰囲気はフラゴナールがこの種のテーマを好んでいたことを連想させる。対称的にねじれたカーテンは《閂》の中で複雑に絡まっているそれと控えめに同調している。
フラゴナールへの評価
軽薄さに対する風評(あまりにも頻繁に、あまりにも簡単に、フラゴナールと結びつけられる)によって、フラゴナールの多角的な才能を失墜させるべきではない。
彼の全作品群は、宗教画、歴史および神話をテーマにしたもの、寓意、肖像画、風景画、そしてこのようなシーンなどを含んでいる。フラゴナールは18世紀フランスにおける、疑いようのない、代表的画家である。
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