作品概要
《恋の成り行き:追跡》は、画家のジャン・オノレ・フラゴナールによって制作された作品。制作年は1771年から1772年で、フリック・コレクションに所蔵されている。

《追跡》はフランスのロココ期の画家ジャン・オノレ・フラゴナールが《恋の成り行き》というテーマで描いた、4作から成る連作の一つである(カンバス、油絵)。
来歴
1771年、フラゴナールは一連の連作を描く仕事を受注した。その依頼はフランス国王ルイ15世の美しき公妾デュ・バリュー夫人からで、その目的は2人の愛の巣、ルーヴシエンヌの館を装飾するためだった。フラゴナールに与えられたテーマは《恋の成り行き》で、画家は恋人達がよく使う様々な策略や戦略を描いた。
《追跡》は連作《恋の成り行き》の中では第2作目に位置し、《逢い引き》、《愛の戴冠》、《恋文》とともにニューヨークのフリック・ミュージアムに展示されている。
洗練されたサプライズ
暖かな日差しに照らされて、3人の少女が噴水の前で遊んでいる中で、リーダーの女性が庭に隠れていた男の子を見つける。彼女は誇張された動作で逃げようとしている。彼女の身体は激しくねじれ、両腕は中に投げ出され、ドレスとリボンは急激な動きによって彼女の周りで絡まっている。
この庭は、特に背景の木々は、突然の出来事を模倣している。枝が重い葉によってしならせることで、上方向と右方向へのダイナミックな曲線を創り出している。少年の行為は洗練されており好感が持てる。彼は彼女に近づき、帽子を取り、庭で採ったバラを差し出している。彼の優雅な行動はフランスのエチケットに正しく一致しており、おそらくそれは母からの教育の賜物だろう。
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