作品概要

風神雷神図》は、画家の俵屋宗達によって制作された作品。制作年は?。

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国宝。2曲1双・紙本金地着色、各154.5×169.8cm、建仁寺蔵(現在は京都国立博物館に寄託)。落款、印章はないが、宗達の真筆であることは疑われていない。17世紀前半寛永期、宗達最晩年の作とする説が有力だが、法橋印が無いことや、おおらかな線質が養源院の杉戸絵と共通することから元和末期(1624年)頃の作とする説もある。

現在では極めて有名な絵であるが、江戸時代にはあまり知られておらず、作品についての記録や、言及した文献は残されていない。京都の豪商で歌人でもあった打它公軌(うだ きんのり)が、寛永14年からの京都妙光寺再興の際に製作を依頼したとされるが、それを示す直接の文書はなく、これ以外に制作事情や伝来についての史料は見つかっていない。後に建仁寺に渡ったという。

宗達の最高傑作といわれ、宗達と言えばまずこの画が第一に挙げられるほど有名な画である。また、宗達の名を知らずとも、風神・雷神と言えばまずこの画がイメージされるほどの画である。

この画は構図が見事で、画面の両端ギリギリに配された風神・雷神が画面全体の緊張感をもたらしており、その扇形の構図は扇絵を元にしていると言われる。三島由紀夫はこれを評して、「奇抜な構図」と呼んだ。風袋を両手にもつ風神、天鼓をめぐらした雷神の姿は、北野天神縁起絵巻(弘本系)巻六第三段「清涼殿落雷の場」の図様からの転用である。しかし、宗達は元来赤で描かれる雷神の色を、風神との色味のバランスを取るため白に、青い体の風神を同じ理由で緑に変える等の工夫を凝らし、極めて独創的に仕上げている。金箔、銀泥と墨、顔料の質感が生かされ、画家の優れた色彩感覚を思わせるほか、両神の姿を強烈に印象付ける。特に重要なのは、たらし込みで描かれた雲の表現である。絵の中であまり目立つ存在ではないけれども、二神の激しい躍動感を助長し、平坦な金地に豊かな奥行きを生む役割を果たす。宗達は墨に銀泥を混ぜて使用する事で、同一の画面に墨と金という異質な素材を用いる違和感を無くし、柔らかく軽やかな雲の質感を描き表している。

2008年7月に行われた洞爺湖サミットでは、会議場にこの複製がおかれ、にらみをきかせた。

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基本情報・編集情報

  • 画家俵屋宗達
  • 作品名風神雷神図
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年不明 - 不明
  • 製作国不明
  • 所蔵不明
  • 種類不明
  • 高さ不明
  • 横幅不明
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