作品概要

ディオゲネス》は、画家のジャン・レオン・ジェロームによって制作された作品。制作年は1860年から1860年で、ウォルターズ美術館に所蔵されている。

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古代ギリシャの哲学者ディオゲネス(紀元前404年頃~紀元前323年頃)が、画家ジェロームによって最も美しく描かれた作品である。

描かれたエピソードと象徴

白い布を腰のあたりで結んだだけの質素な身なりの男が、樽の中であぐらをかき、外が明るいにもかかわらずランプに火を灯している。周囲には4匹の犬。ここには、ディオゲネスにまつわるエピソードや、その哲学の象徴が描かれている。

彼は樽の中に住んでいたと言われている。シノーペ(古代ギリシャ人の植民都市)出身で、その後はアテネに移ったが、自らをコスモポリタンと称し、定住することはなかった。快適さや物質性よりも、自分の心と哲学にとって最も大切な質素さと謙虚さを選び、このようなスタイルで暮らしていた。物乞いをすることや、嘲笑されることは厭わない一方で、堕落や偽善には心を乱され、激怒し、何日も眠れないこともあったという。

そして、誠実な人間を探して旅を続けた。明るい昼間にランプを灯しているのは、人間の本質を照らすためであり、堕落した世の中に善意を見つけようと旅に出かける準備をしていることを表している。

彼の大切な仲間は動物だった。特に犬は、彼の哲学「キニク(犬儒)学派」(ギリシャ語でキニクとは、犬のような、の意味)を象徴する存在である。

ディオゲネスのエピソード

多々あるエピソードの中でも有名なのは、ディオゲネスがアレクサンドロス大王を公然とばかにした一件だ。ギリシャの伝記作家プルタルコスによれば、日光浴中のディオゲネスに大王が「何か望みはないか?」と尋ねたところ、「そこに立たれると日陰になるのでどいてほしい」と答えたという。

古代ギリシャの「三大」哲学者を挙げるならば、ソクラテス、プラトン、アリストテレスである。だが、ジェロームは、歴史の中で最も重要な性格を持つディオゲネスをあえて主題に選んだ。なお、この作品のあと、ソクラテスを主題にした《アスパシアの家にアルキビアデスを探しに来たソクラテス》を描いている。また、三年後に、ジェロームはパリの美術学校の教授に任命され、多くのフランス人や外国人を指導することになる。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジャン・レオン・ジェローム
  • 作品名ディオゲネス
  • 制作年1860年-1860年
  • 製作国フランス
  • 所蔵ウォルターズ美術館 (アメリカ合衆国)
  • 種類油彩 カンヴァス
  • 高さ74.5cm
  • 横幅101cm
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