作品概要
《ネブカドネザル》は、画家のウィリアム・ブレイクによって制作された作品。制作年は1795年から1805年で、テート・ブリテインに所蔵されている。

《ネブカドネザル》はイギリスの詩人、画家、版画家ウィリアム・ブレイクの作品である。本作はダニエル書(旧約聖書の一書)のネブカドネザルの伝説を題材とした。聖書によると、バビロニア王ネブカドネザル二世は過剰な自尊心から発狂し、その罰として草を食べる雄牛のように生きることとなった。
道徳の腐敗と獣性の出現の間にある関係性は、18世紀スイスの思想家、著作家ヨハン・カスパー・ラヴァーターによっても示唆されている。伝記作家のアレクサンダー・ギルクライストは、変わり果てた王の姿を「岩間の巣に追い詰められ、獣のようにはい歩く、狂った王。」と表現した。
関連作品
ブレイクは《ネブカドネザル》の構図を既に過去の作品《天国と地獄の結婚》でも用いている。ネブカドネザルの姿勢はおそらくアルブレヒト・デューラーのエッチング《聖ヨハネス・クリュソストモスの苦行》に基づいている。
アレクサンダー・ギルクライストは「苔の生えた岩山のメタリックな色着けはブレイクの《ニュートン》と同じくらい上手くできている。」と信じていた。
その他の《ネブカドネザル》
《ネブカドネザル》は1795年に始まった大型カラー印刷と呼ばれる一連の作品の一つでもある。同シリーズには12の作品があり、サイズは43cmx53cm、ほとんどは3部ずつ制作された。
《ネブカドネザル》は4部存在し、その内3つはテート・ブリテイン(ロンドン)、ボストン美術館、ミネアポリス美術館に1つずつ収蔵されている。残りの1つは1887年以降行方がわからない。
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