作品概要
《最後の晩餐》は、画家のアンドレア・デル・カスターニョによって制作された作品。制作年は1447年から1450年で、サンタポッローニア修道院に所蔵されている。

アンドレア・デル・カスターニョによる《最後の晩餐》は、フィレンツェにあるサンタポッローニア修道院食堂に描かれたフレスコ画。歴史上、多くの画家によって描かれた「最後の晩餐」を描いた初期作品であり、裏切り者であるユダのみが別の椅子に座り、弟子とキリストたちが横並びに並んで座っている伝統的な構図を確立した作品。
主題
最後の晩餐については、4つの福音書に記されているが、カスタニーニョのフレスコ画は、ヨハネによる福音書の説明を受けたものとなっている。
裏切り者の存在を告げられた11人の使徒は混乱しているが、聖ヨハネは無垢な眠りの姿勢を取っており、それは直立姿勢で緊張がみなぎった顔のユダとは全く対照的な姿を見せている。
スタイル
本作は、カスターニョの卓越した技術を示している。彼は初期のスタイルから自然主義へと移行しており、使徒たちの服の色と姿勢はバランスが取れたもので、遠近法や服のたるみなどにはリアルズムが巧みに取り入れられている。
背景となる大理石の壁は、古代ローマ美術の様式が意識されており、柱とグリフォンの彫像は古代ギリシャとローマの影響が見て取れる。
カスターニョの《最後の晩餐》が、絵画史上最も有名なダ・ヴィンチの同名作品にどこまで影響を与えたかは不明だが、初期ルネサンスを代表する作品として、ダ・ヴィンチが目にしていた可能性は高い。
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