作品概要
《マダム・ベルジュレ》は、画家のフランソワ・ブーシェによって制作された作品。制作年は1766?年から1766?年で、ワシントン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

《マダム・ベルジュレ》は、フランスの画家フランソワ・ブーシェによりおそらく1766年頃に制作された絵画である。ワシントン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。
モデルについて
この肖像画は、ブーシェの最も熱心なパトロンの一人であり、絵の最初の所有者でもあるピエール・ジャック・オネジム・ベルジュレの最初の妻、マルグリット・ジョゼフ・リシャールを描いたものと言われている。
この作品のモデルがベルジュレ夫人であるという伝統的解釈を疑う理由は、ほとんど存在しない。美術史家コリン・アイスラーは、このモデルは衣装はエレガントであっても、「bergère(羊飼い)」というフランス語にかけた気の利いたしゃれとして理解されるべきと唱えている。実際、モデルの女性の袖は花やリボンで飾られ、腕にはカメオのついた真珠のブレスレットをつけているなど非常に華やかであるが、それにも関わらず、この衣装は田舎の少女や羊飼いの普段着であることが示唆されている。葉の生い茂った庭の木陰は、場所が郊外であることを強調している。
制作年代
中央の左端にある1746年という制作年は、技術的分析により誤りであると推測された。
ブーシェは、ポンパドゥール夫人の9つの肖像画をさまざまな背景や姿勢で描いている。この肖像画は、いくつかの技法においてこれらの肖像画と関連を持っていると言える。
姿勢や視線などは、1750年に描かれたポンパドゥール夫人の肖像画と非常に類似している。にもかかわらず、服装、庭の背景、筆運び、特にドレープや葉の描き方は、1750年代後半に制作されたポンパドゥール夫人の肖像画と共通点がある。 またその技法は、1760年代半ばに制作された可能性も示唆している。
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