作品概要

ロメーヌ・ラコー嬢の肖像》は、画家のピエール=オーギュスト・ルノワールによって描かれた作品。制作年は1864年から1864年で、クリーグラント美術館に所蔵されている。

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ピエールが、23歳頃の1864年に制作された、最も早い年代の作品のひとつで、初めて受注した肖像画とされる。クリーグラント美術館がハンナ基金からの寄贈を受けて収蔵したものである

この肖像画は、ルノワールがパリ近くのバルビゾンにあった芸術家村に滞在していた際に、ロメーヌ家に依頼されて制作されたものである。

依頼主であるラコー夫妻の娘「ロメーヌ・ラコー嬢」を描いた。13歳で磁器絵付師の見習いをしていたピエールだが、ラコー氏自身も磁器製造業であった。

この年、サロンで初入選を果たすもの、その評価を巡ってサロンと対立する事になる。

子供の愛らしさの中にも、品格・格調の高さを漂わせる本作は、真正面に向いた構図は古典様式を彷彿とさせるものの、バルビゾン派の画家ジャン=バティスト・カミーユ・コローやスペイン・バロック絵画の巨匠ディエゴ・ベラスケスなど幅広いな影響が見られるという。

主題が手にする花は美しい赤で彩られ、ロココ的な基調とともに、軽やかさを感じさせる薄地のレースなどが精密に配置されている。

画中に繊細に配置された色彩と光は、やわらかで若さに満ちた美しさを表現している。背景のカーテンと少女の白いブラウスといった明るいトーンには、半透明の物体の光の反射と色に対するルノワールの鋭い観察眼があらわれている。特に少女の顔の部分に見られる繊細なニュアンスの色使いは、ルノワールがそれ以前に磁器の絵付けを学んでいたことが影響しているだろう。

ピエールの代表的な作風である、淡くも鮮やかな色彩が豊かに表現されており、当初から彼の作風が確立していた事を彷彿とさせる。

ルノワールは1862年から1866年に制作された作品のほとんどを処分してしまったため、この初期作品についてはあまり多くのことが明らかになっていない。全体的にグレーや黒といった無彩色と、花を絵描くことによる部分的な色彩の使用、そして背景の右側に静物を描くのは写実主義の画家クールベの作品を思い起こさせる。

生き生きとした光の描写はモネの作品にも類似するところがある。明るい透明感は、モネが外光派の画家たちと交流することで影響を受け、後年の彼の作品にもみられるものである。さらに、本作品は前述の2人の先駆者の技法を吸収し、それに彼独自の客観的な視点を加えたドガの初期の肖像画とも共通点を見出すことができる。

基本情報・編集情報

  • 画家ピエール=オーギュスト・ルノワール
  • 作品名ロメーヌ・ラコー嬢の肖像
  • 制作年1864年-1864年
  • 製作国不明
  • 所蔵クリーグラント美術館
  • 種類油彩
  • 高さ81.0cm
  • 横幅64.0cm
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