作品概要
《ソファーに横たわる裸婦(黄金のオダリスク)》は、画家のフランソワ・ブーシェによって制作された作品。制作年は1752年から1752年で、アルテ・ピナコテークに所蔵されている。

《ソファーに横たわる裸婦(黄金のオダリスク)》は、フランスの画家フランソワ・ブーシェにより1752年に制作された絵画である。ドイツ・ミュンヘンにあるアルテ・ピナコテークに所蔵されている。
モデルについて
この絵は、ブーシェのモデルとして働き、ルイ15世の愛人にもなった若きアイルランド人女性、ルイーズ・オミュルフィの肖像画として描かれている。ブーシェは、1751年にもほぼ同じ構図の作品をオミュルフィをモデルにして描いている。制作当時、オミュルフィは十四歳であった。
ルイ15世は、ブーシェによる彼女の裸体画を見てオミュルフィに関心を寄せた。そして1753年、オミュルフィは同じく王の公妾であったポンパドゥール夫人の開いた娼館に招かれることとなった。
ブーシェはこの作品において、美と愛の女神ヴィーナスのような遥か天上の古典的な美ではなく、コケティッシュな少女の挑発的な姿勢により、エロチックな官能美を描き出している。
色彩の表現
ブーシェは当時高い評価を受けていた画家であったが、「磁器の頭」と言われた人工的な人物像や、繊細な色のインテリアなどはしばしば批判された。ここでも色の扱いは極端に繊細で、下地に白を使用することによって色相が合わさり、均一で深みのない表面を作り出している。深い影も明暗のコントラストも描かれていない。また、白の下地は赤、青、黄の絵の具を、ピンク、水色、淡い黄色といった控えめな色合いに弱めている。
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