作品概要
《叙階の秘跡》は、画家のニコラ・プッサンによって制作された作品。制作年は1636年から1640年で、キンベルアートムジアムに所蔵されている。

《叙階の秘跡》は美術史において、もっとも祝福された絵画作品のグループである。七つの秘跡の連作はフランシスコバーベリーニ枢機構の秘書であったカッシーノダルポッソにより依頼された。
主題/h2>
上級聖職者になることを授与される秘跡を表現するため、プッサンはローマ教会の主となる、ひざまづくペトロに天と地の重要さを与えるキリストの教えについての福音書が、威厳を見せながら付与される様を描いた。
プッサンの表現
「ペトロよ。私はこの岩の上に教会を建てる。そして、私は天国の鍵を汝に与える。」(マタイ福音書16:18−19)とイエスが宣言した場面を、強い感情を込め、様々な体の動きと十二使徒一人一人の表情をとおして表現した。遠くで対話する男たちは、キリストによる新しい戒律が制定され古い戒律を思い出す古代の哲学者たちではないかと言及されている。影で顔がぼんやりとしている、右の遠くにいる人物は、キリストを裏切るユダである。
連作7つの秘跡の行方
ラトランドの第4公爵であるチャールズ・マナーズは、1785年にカッシアーノ・ダルポッソの相続人から七つの秘跡を購入し、それらをレスターシャー州のベルボア城に設置した。
公爵は、このシリーズを「今までの生涯で最も偉大な画家の一人であるプッサンの最も偉大な作品」と宣言した英国の画家ジョシュア・レイノルズと相談し、7つの絵画のうち、《堅信》、《叙階》、《結婚》を保持した。《懺悔》は1816年に火災で焼けてしまい、《洗礼》は1946年にワシントン国立美術館、《終油》は2012年にケンブリッジのフィッツウィリアム美術館に保持された。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。