作品概要
《天文学者》は、画家のヨハネス・フェルメールによって制作された作品。制作年は1668年から1668年で、ルーヴル美術館に所蔵されている。

《天文学者》は、1668年にオランダの画家ヨハネス・フェルメールによって描かれた。科学者の肖像画は、17世紀のオランダで人気が高く、フェルメールはこの《天文学者》の他、『地理学者』を描いている。
両方の絵画のモデルは同じ男性で、「微生物学の父」と呼ばれるオランダの科学者、アントニ・ファン・レーウェンフックではないかと考えられている。
描かれた男性は天球儀を見ており、テーブルの上の本はオランダの天文学者、アドリアーンスゾーン・メチウスの『星の研究と観察』である。《天文学者》は、1713年4月27日、美術品収集家(恐らく、アドリアン・パエッツ、もしくは彼の父親)により『地理学者』とともに売りに出されたということが一番古い記録として残っている。
購入した者はオランダ黄金期の画家、ヘンドリック・ショールグで、1720年3月28日に開催された彼の遺品売買では、『天文学者』は「フェルメールによって描かれた最高の星占い師」と言われた。
1881年と1888年に、《天文学者》はパリの美術品ディーラーにより、銀行家で美術品収集家であるアルフォンス・ド・ロチルドの手に渡った。アルフォンス・ド・ロチルドの死後、息子であるエドゥアール・アルフォンス・ジェームスが相続した。
1940年、ナチス・ドイツのフランス侵攻の後、全国指導者ローゼンベルク特捜隊により、《天文学者》はパリのホテルから没収された。
しかし、戦後、その絵画はエドゥアールに返還された。1983年に相続税の支払いに応じた際、その絵画はフランスの手に渡った。1983年からルーヴル美術館に展示されている。
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