作品概要
《愛の講習》は、画家のジャン・アントワーヌ・ヴァトーによって制作された作品。制作年は1716年から1717年で、スウェーデン国立美術館に所蔵されている。

アントワーヌ・ヴァトーの作品《愛の講習》では、若い人々のグループが庭園にて身を寄せ合う妖精の大理石像のそばに座っている。彼らはクラシックギターを持つ男性に楽しげである。
女の子の1人はバラを折り取り、グループの頭上に花びらを散らしている。黄色いドレスを着た女の子は膝の上にノートを載せている。
雅宴画
《愛の講習》は雅宴画(フェート・ギャラント)の一例である。雅宴画とは1717年にフランスアカデミーにてヴァトーの作品のために作られたジャンルである。野外での集まりで、舞踏服や仮想衣装で楽しむ人々の情景を描いた作品にこの名称が与えられている。
1717年にヴァトーがフランスアカデミーへの入会を申し込んだ際、彼の作品に適切なカテゴリーがなかった。そこでアカデミーは、ヴァトーの申込を拒否するのではなく、彼の作品に適したカテゴリーを新たに作ったのである。
ヴァトーは政府ではなく個人からの資金提供で雅宴画を描いていた。一方で、彼は政府から任命されているアカデミー・デ・ボザール(芸術アカデミー)認められることを望んでいた。アカデミーによりヴァトーの作品を最高ランクと認められ、その後も個人のバイヤーを楽しませ続けた。
作品の遍歴
本作品はキャンバスではなく、パネルに描かれた油絵である。X線で調べた結果、客車のドアに、2頭のユニコーンと侯爵の冠の紋章の上に本作品は描かれている。
スウェーデン国立美術館は1953年に、国立美術館の会員による寄付金と美術館の基金からの資金調達によって本作品を獲得した。
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