作品概要
《聖アンナと聖母子》は、画家のレオナルド・ダ・ヴィンチによって制作された作品。制作年は1508年から1508年で、ルーヴル美術館に所蔵されている。

1508年ごろダヴィンチが描いた作品のひとつである。聖母アンナの膝の上に聖母マリアが座り、幼子キリストを抱きかかえようとしている図で、キリストの手には受難の象徴である子羊が配置されている。
この作品の秀作にあたるドローイングがロンドンのナショナル・ギャラリーに残されている。元々、この作品はフィレンツェのサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会の祭壇がとして飾られる予定であったが飾られることはなかった。
しかし、ダヴィンチはこの作品を生涯死ぬまで手元に置き、加筆を続けたという。2008年に行われた赤外線検査では絵具の下にダヴィンチのものと思われるスケッチが発見されている。
このスケッチは1505年に彼が手がけた壁画”アンギアーリの戦い”にかかれていた馬の頭部と酷似していた。さらに頭蓋骨や幼児と子羊のスケッチも残されていた。ルーヴル美術館はこれを世界で最初に発見されたダヴィンチの下絵であると発表している。
絵の構図は女性の膝の上に女性が座るという今までの絵画に見られない構図であり、背面の聖母アンナに関してはマリアよりも一回りほど大きく描写されている。これは聖母アンナを地母神として描写しているからである。
また、アンナの足元には紐で繋がれた赤い石の描写があるとされており専門家らの間では胎盤を表現しているともいわれている。
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