作品概要
《エウロパの略奪》は、画家のグイド・レーニによって制作された作品。制作年は1637年から1639年で、ナショナルギャラリーに所蔵されている。

「エウロパの奪略」は、ヴワディスワフ4世から委託されたイタリアの画家であるグイド・レーニが、1637年から1639年の間に描いた絵画で、牡牛となったゼウスにさらわれるエウロパが描かれている。この絵はのちにデニス・マホンのコレクションに加えられたあと国立美術館に貸し出され、今日に至るまで展示されている。
絵画のモデルとストーリー
エウロパはテュロスの王アゲーノールの娘である。ゼウスは彼女と恋に落ち、彼女が遊んでいた海岸から誘拐するため、自分を大人しい牡牛の姿に変えた。彼女が牡牛の背に乗ると二人はクレタ島まで泳いだ。彼女は彼にミーノース、ラダマンテュロス、そしてサルペードーンという三人の息子を産んだ。
この暗く、色情的な絵画の表すこの神話は、17世紀の絵画で最も人気のあった古典的なテーマのうちの一つであるが、キューピッドを絵に含んでいることがこの絵画のユニークな特徴である。エウロパの表情には、誘拐されたにもかかわらず愛が芽生えてきていることに心を乱している様子が現れている。
この絵画はポーランドのヴワディスワフ王へ、1640年より少し前に描かれたものである。この明るい色調と研究されたエレガントで力強くまた淡い色調はレーニの晩年の典型的スタイルである。
デニス・マホン卿と絵画
この絵を収集したデニス・マホン卿は20世紀最も名高い美術歴史家、アートコレクターであり、90歳を過ぎても美術館のために活動を行なった運動家である。彼は何十年にも渡りコレクションを収集し続け、以前の学者たちに比較的無視されてきたイタリアンバロックの幅、意義、クオリティを徐々に示してきた。
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