作品概要
《ワン:ナンバー31, 1950》は、画家のジャクソン・ポロックによって制作された作品。制作年は1950年から1950年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

「ナンバー31, 1950」は、1950年夏から秋に掛けて制作された。作品は「ドリッピング」にて描かれた代表作といわれる。ポロックは、1947年から「アクション・ペインティング」を本格的に展開した。「アクション・ペインティング」は、抽象的表現と形態の融合より創出された独自の技法である。
「ポーリング」(塗料を注ぎ掛けながら線を描く技法)、「ドリッピング」(塗料を撒き散らして滴らせる技法)、「スプラッタリング」(塗料を粒状に飛び散らす技法)により、作品を描いた。また、この時期の作品から、アルキド樹脂エナメル(顔料とアルキド樹脂ワニスを混ぜ合わせた塗料)が使用されている。エナメル塗料は、棒や硬くした絵筆にてキャンバスに塗り付けられた。
作品では、キャンバス全体に複雑に入り組んだ線が描かれている。線描は落ち着いた色合いである為、調和・相殺されている。ポロックは、キャンバスを床に置き、黒色と白色の塗料を「スプラッタリング」によりキャンバス全体に飛び散らしている。環状に繋がる線は生き生きと描写され、活気のある構成になっている。キャンバスのサイズ以上に大きな印象を受ける。
ポロックは、独自の制作スタイルについて「キャンバスを床に置いた場合、あらゆる方面からキャンバスを見ながら制作できる。その為、作品をより身近に感じら、制作しやすい。」と述べている。
また、ポロックの作品では、作品名が数字であるものが多い。数字は偏見や先入観がなく、不偏である為、見る側は純粋な芸術として受け入れることができると考え、敢えて作品名を数字にしたといわれる。現在、「ナンバー31, 1950」はニューヨーク近代美術館(アメリカ・ニューヨーク州)にて展示されている。
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